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DOIT!シリーズ
西精工は、徳島に本社を置く、創業100年を超えるナット・ファインパーツメーカーである。自動車をはじめ、高い品質が求められる分野に部品を届けてきた会社で、2024年11月には自動車産業に特化した品質マネジメントシステムの国際規格であるIATF16949の認証も取得した。2013年度と2023年度には日本経営品質賞を受賞しており、ものづくりの力だけでなく、経営の内容やマネジメントも高く評価されている。西精工の始まりは1923年、西製作所としてボルトの製造を始めたことにさかのぼる。戦後にはナットや割ピンの製造を始め、1960年に西精工株式会社へ改組した。
石井工場、土成工場の建設、品質・環境認証の取得、本社新社屋の完成、カスタマー技術センターの開設などを重ねながら、ものづくりの基盤を少しずつ広げてきた。2023年には土成第2工場を建設し、2024年には2度目の日本経営品質賞本賞を受賞している。西精工の改善・改革の風土は、創業期から始まっている。かつての西精工は「町工場」という言葉がぴったりとくるような小さな工場で、生産設備も自社でつくり、自分たちで修理。新製品開発にも果敢に取り組んでいた。今の西精工の強みは、こうした地道な工夫と技術の積み重ねの上に育ってきた。
徳島に本社を置く西精工は、創業100年を超えるナット・ファインパーツメーカーである。現社長の西泰宏さんが入社した当時、工場は油で汚れ、社員同士のあいさつも少ない状態だった。西さんは、掃除とあいさつという基本的な行動から会社を変えようとした。
その後、大きなクレームを経験する中で、西さんは「ものづくりの品質は、人の質で決まる」という考えを深めていく。品質を支えるのは、設備や仕組みだけではない。仕事に誠実に向き合い、自分に指を向けて考え、仲間と信頼し合いながら働くこと。西精工はその考えを土台に、社員一人ひとりを育てることに力を注いできた。
毎朝行われる朝礼では、対話を大切にしている。社員が仕事の中で感じたことや気づきを自分の言葉で語り、仲間がその言葉を受け止める。うまくいったこと、迷ったこと、誰かに助けられたこと。日々の出来事を振り返りながら、「なぜそう感じたのか」「そこにどんな思いがあったのか」を掘り下げていく。
朝礼で交わされる言葉からは、普段の仕事だけでは見えにくい、その人の考え方や仕事への向き合い方が見えてくる。自分の弱さや未熟さも言葉にできること。仲間がそれを真剣に聴き、問いかけてくれること。そうした対話の積み重ねが、社員同士の信頼関係を育て、安心して自分を出せる職場の空気をつくっている。
西精工の各現場ではリーダーが中心となってメンバーを育てていく。困っている表情に気づいて声をかける。失敗を責めるのではなく、次にどう活かすかを一緒に考える。すぐに答えを与えるのではなく、相手が自分で考え、乗り越えていくことを信じて待つ。仕事を教えるだけでなく、一人の人間としての成長に寄り添う関わりが、若手の主体性を引き出している。なぜ西精工では、社員が自分を見つめ、仲間と真剣に関わろうとするのか。
前編では、掃除とあいさつから始まった改革の歩みを背景に、朝礼での対話とリーダーたちの日々の関わりを通じて、一人ひとりの心が輝く組織づくりに迫る。
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